治療薬について
アトピー性皮膚炎の治療薬にはいくつかの種類があり、それぞれに特徴があります。以下は主要な治療薬とその特徴についての要約です。
ステロイド外用薬
- ステロイド外用薬はアトピー性皮膚炎の治療の基本とされる薬剤です。
- 炎症を鎮める作用があり、強さに応じて5つのランクに大別されます。
- 長期間の使用や強いステロイドの使用は、副作用のリスクがあるため注意が必要です。
タクロリムス軟膏(プロトピック軟膏)
- ステロイド薬と異なり、カルシニューリン阻害薬に分類されます。
- 炎症を抑える作用があり、ステロイド外用薬の副作用が懸念される部位に使用されます。
デュピルマブ(デュピクセント)
- アトピー性皮膚炎治療薬として初の生物学的製剤です。
- IL-4とIL-13の働きを抑制し、Th2細胞による炎症反応を抑えます。
- 重症患者に対する効果が高いとされ、注射薬として提供されます。
デルゴシチニブ(コレクチム軟膏)
- JAK阻害薬で、2020年6月から使用が可能になりました。
- 生後6ヶ月以上の小児アトピー性皮膚炎にも効能が追加された外用薬です。
バリシチニブ(オルミエント)
- JAK阻害薬で、既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎に適応があります。
- 15歳以上の患者に対して、1日1回の経口投与が可能です。
シクロスポリン
- 免疫抑制剤としてアトピー性皮膚炎の治療に使用されます。
- 通常、成人には体重1kgあたり3mgを1日2回に分けて経口投与され、症状により適宜増減されます。
これらの薬剤は、アトピー性皮膚炎の症状、重症度、患者の年齢などに応じて選択され、使用されます。治療計画は医療提供者によって個々の患者の状況に合わせて決定されるため、使用前には必ず医師の診断と指導を受けるべきです。また、これらの薬剤の効果や副作用に関する最新の情報は、医薬品の添付文書や医師からの説明に基づいてください。